石ノ森章太郎先生との夢
仮面ライダーの原作者、石ノ森章太郎先生には、ことあるごとに挨拶させて頂いた。初めての出会いは俺達が作った仮面ライダーの8ミリ映画の鑑賞会だ。当時としては、かなりの出来だったらしく、マネージャーの加藤昇さんの仲介でその作品を見てくれた。「100点満点で85点というところかな。」とのコメントをくれ、そのインタビュー8ミリ映像は我々の手元に残っている。
その後、ハリウッド版「仮面ライダー」のアクション監督が一段落、先生とお会いでき、嬉しくてマシンガンのようにそのことを報告すると「いやー、話が途切れないので、相槌打つ暇もないよ」と笑われた。
仮面ライダーをいつか、一緒にやりましょうと話し、お付き合いの続く中で、他にも作品を一緒にやりたいですねということになったが、その最中、病にお倒れになった。それでも病床から電話でやり取りしてくれていたのだ。お亡くなりになった時、日本に一時帰国して、お葬式に参列させて頂いた。とても艶やかなお葬式の風景で、先生がなんだか美しい国に旅立ったように思えた。
病気のために作品製作がすすまず、お詫び代わりにライダーなどの人形にサインを添えて、アメリカまで郵送してくれた石ノ森先生。あれほどの巨匠なのに、小僧のアクション監督ごときに、少しも威張る所なく、誠実に接してくれた。
いつか一緒に作品をやりましょう。その夢は叶わなかったけれど、自分が石ノ森先生から頂いた、ライダーアクションを発展させ、サムライアクションとして結実させるよう、頑張って生きていきたいと思う。
No pain, no gain!
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