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2007年3月20日 (火)

仮面ライダーを作った効果音の魔術師、太田克己さん

今週の木曜までLAは雨だそうで、今日も昼頃かなり激しい雨になった。空は雲に覆われて、暗いのだ。ウルトラマンのごとく太陽エネルギーが大好きな俺は、どんより天気に、

「暗くなる~」

と思い、最近ハマっている倖田來未さんのバタフライを聞いて元気をだしてます。LAは2月によく雨が降るが、もう3月も下旬なのに雨なのは、ちょっと不思議な感じだ。

 いつもヲタな話をしているが、今日は更に深い効果音の話をしようと思う。映像には日常にはない音が使われているけれど、仮面ライダーのようなファンタジー物はもっと激しく使われる。ライダーなんかは、

「キ~ン、ドギャ~ン!」

なんていう変身音とか

「ドゴアゥアアアアア~」

みたいなライダーらしい派手な殴り音が使われてて、当時其の音が超カッコよかったんだよね。音聞いただけで、強そ~みたいな。それを作っている方が映広音響の太田克巳さんという人で、ライダーの自主映画を作っていた時に、プロデューサーの平山亨さんに紹介してもらった。俺は自主映画の「仮面ライダー」にどうしても同じサウンドエフェクト(昔は効果音っていったなあ)を使いたくて、太田さんのところに尋ねていった。すると思いっきり職人って感じのノリの作業着姿で登場し、作りかけの8ミリライダー作品を見てくれて、

「仮面ライダーの効果音、下さい!!」

と大胆に頼むと

「8ミリに入れるのは無理だと思うけど、作品面白かったから特別だぞ」

と、その効果音を分けてくれたのだ!今から25年も前だから、版権とかあんまりうるさくない時代だったからありえたんだと思う。貰った後は、殴る音やら蹴る音の一つ一つを8ミリフィルムのBトラックに入れて合わせて、更に2重録音で音楽を重ねるというモノクロ時代だったんだよね。ちなみに音声はAトラックだったかなあ。一生懸命一コマずつ映写機をずらして入れていった。あれで、オリジナルの8ミリフィルムもかなり痛んだ。

今のデジタル時代の子供達はマジ羨ましいと思う。映像も編集もPCで自由自在だもんなあ。それで劣化0だから、凄いよね。

10年前に東映ヒーローのパーティでお会いした時に、ハリウッドの「仮面ライダー」を担当してると言ったら、目を細めて「よかったなあ」と、言ってくれてもっと東映ヒーローが世界に広がるようにと願っていた。当時から、爆発なんかが派手になっていくのに危惧していて、「もっと生身の部分でヒーローは演じられるべきじゃない」と、言っていた。くしくも今のCGI時代への提言かもしれない。其の時にライダーの全盛期を作った折田至監督ともご一緒させてもらい、「ヒーローは逞しくなくっちゃいけない」ともおっしゃっていた。お二人とも、ないないづくしで始まったライダーを、生身の体だけで作っていた人達。その言葉には色んな含みがあると思う。折田監督は、昨年9月に亡くなられてとても残念に思うけれど、当時の熱い思い出は俺たちの世代の中で完璧に生きてます。

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コメント

懐かしい話題ですね、当時はBGMにしても正規発売の物は
スカイライダーの「組曲・仮面ライダー」位しか無くて
BGMに関しても苦労した仮面ライダーの自主映画グループが
多々ありましたね。
Michiさんの自主映画を初めて観た時に「この効果音と
BGMはどうやって入手したの?」と思いましたよ。

投稿: 三影龍太郎 | 2007年3月20日 (火) 22時40分

今は何をやろうとしてもPCがあるから、なんでも手に入るし、なんでもオッケイ。BGMも効果音も安価で作れるしなあ~。アマチュアクリエーターにとっては、素晴らしいデジタル時代!

投稿: Michi | 2007年3月21日 (水) 15時36分

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