「絶対見返してやる!」 スーツアクターという言葉 その3
大野剣友会に入って、1年ぐらい過ぎた頃だろうか。先輩が撮影の合間にADを殴ったというのだ。その理由とは
「お前らの仕事は、ぬいぐるみを着るしかないよ~な仕事だよな!」
と言われたという。結局、その先輩は休業し、剣友会をやめることになった。この時に思ったのは
「どうして俺らって、こうも認められないんだろう・・・」
ということだ。 当時はライダーや戦隊の仕事を説明すると
「ああ、ショッカーの中に入ってる人ね。イー!ってヤツか。」
とか
「あれって、バイトの人とかエキストラがやってんじゃないの??」
って言われて、苦しい思いの連続だった。
「違うんだよ。面の下の仕事は、演技法の一つで、俳優業の中の一つなんだ!」
と、声高にいっても誰も見向きもしてくれない。仮面の中で、汗まみれになり、トランポリンを踏んで飛び上がり、蹴られて吹っ飛んで、台詞も覚えて演技もしているのに、
「どうしてなんだ!!」
って、いつも思っていた。仮面ライダー、戦隊、ウルトラ自体がジャリ番と言われて、その存在自体、世間では大したことないって思われてた四半世紀前の時代に、俺らは
“怪獣の中に入ってる人”
というくくりで、エキストラ同然の認識でだった。
でも、少なくとも俺は、
「いつか、いつか見返してやる!」(炎上!!)
って思ってた。思えば、それが、俺自身の存在価値を賭けた、アクション俳優としての戦いの始まりだった。
(To be continued)
No pain, on gain!
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