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2007年4月30日 (月)

史上初!ヘリコプターの二人落ち その③

史上初の二人ヘリコプター落っこちを成功させてほっとした数日後、スタントマンがメイキングのビデオを持ってきてくれた。

 そのビデオを見ると、スタントマンの二人が同時にヘリの足を蹴って、見事に落ちていくのが確認できる。

 これは二人のスタントマンのお陰だなあ

とつくづく思ったのだけれど、もう一回スローモーションで見てみて、のけぞった。

うわ~~!ヘリが揺れまくってる!

Helbody二人が同時に落っこちるために、足場となるヘリの足の部分を同時に蹴って落ちたため、ヘリが左右に90度ぐらい揺れていたのだ。

  これ、腕の悪い操縦士だったら、落ちてるかも!!やっぱり前例のないスタントは恐ろしいとつくづく思った。

ありがとう、スタントマン、ありがとう操縦士さん!これがその映像証拠です。短い編集の為に、一方に揺れる瞬間しか見れないけれど、よく見ると凄いテクだ!

No pain, no gain !

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2007年4月29日 (日)

仕事が身なりを作る

Latimesfestofbook  今日の日曜日、LAは熱くもなく、涼しい一日。ファミリーでLA TIMES(大新聞社です)主宰のブック・フェスティバルに入ってきた。

 物凄い人手で、毎年伝説女優のジュリー・アンドリュースもくるという大掛かりなフェストです。

キッズセクションに行くと、有名な作家がバシバシいて、子供の目当てだった作家もサイン会!

「ええー、Cornelia Funkeがいる!」

ファンタジーの有名作家で、子供から大人まで人気がある。「Inkheat」なんかは、アメリカで大ヒットの作品です。ハリウッド映画化が決まった人気作品。

 其の他にも、色々と有名作家が来ていて、サインをしていて、子供達は大喜び。

でも、ちょっとへえ~~っと思ったことが一つ。皆、お金には困っていないから、ハリウッド俳優の様に、さぞかし着飾っているんじゃないかと楽しみにしていたけれど、そこら辺のマーケットであう普通のおじ様、おば様と同じでした。でも、瞳は聡明でした。

知に価値を置く人達にとって、見た目のゴージャスさには価値がないのかもしれないなあと、何となく納得した。

仕事って、身なりをつくるのですね。

No pain, no gain !

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2007年4月28日 (土)

史上初!ヘリコプターの二人落ち その②

ヘリコプターからの落っこちでは、二人が同時に落ちると言う前例のないアクション。バジェットもぎりぎりで、ダンボールに落ちることになる。

 それが1人ならまだしも、二人一緒に落ちるのだから、これは慎重になった。二人が落ちる重さと高さを計算して、地面に落ちる重さを考える。

 そして1つのダンボールの強度を計算して、重さよりも強度が高くなるようにダンボールの重ねる数をはじき出す。

 其の上にマットを敷いて、さあ、準備オッケー。俺と、スタントマン二人、パイロットでその高さまで上がって、

「いけそうっすね!」

再確認で、俺は下に戻り、三池崇監督のオッケーを貰い、再びスタントマン二人がヘリに乗って、20メーターぐらいまであがる。ヘリの風でダンボールが飛びそうになるのを、カバーをかけて、AD達も必死で抑えている。

ヘリも、なかなか空中で固定しないので、スタントマン達も飛び降りられない。そして遂に二人が飛び降りて、積み上げられたダンボールに背中から落ちる!

 ダンボールが幾重にも積み上げられているので、二人がどうなってるかわからない。立ち上がってその姿を見て初めて

「わー!」

と歓声と拍手が沸き、難度の高い落っこちは成功!

ほっとして、帰路についたのですが、後で落っこちのビデオを見て驚いたことがある。一つ間違えれば、大事故に繋がっていたことを見逃していたのです。

それは・・・。

(続く)

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2007年4月27日 (金)

史上初!ヘリコプターの二人落ち

Helhighfall この写真は何かというと、史上初のヘリコプター二人落っこち in Hollywoodです。

これは、東宝映画の三池崇監督「漂流街」のスタントシーン。で使ったダンボールマットなのだ。

この10x10メーターの上に、二人のスタントマンがヘリから同時に飛び降りると言う前代未聞のスタントで、高さ15メーターぐらいあったかなあ・・・・。

 これをスタント・コーディネーターした時は本当に困った。何せ前例がないので、ヘリの風とかスタントマンの重さ+高さを計算して、そのダンボールの強度を計算しないといけない・・

すっごい、困ったんだよ俺。

なんせ・・・

数字に弱かったのだ!!

(続く)

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2007年4月26日 (木)

できないから辛いけど、楽しい!

Universal_studio_costume  俺の主宰するサムライ・アクションでは、新しいアクションと衣装作りが大詰めなのだ。

ライダーアクションを尖らせたら、世界のアクションになる!

は俺の持論で、アメリカで大流行のマーシャル・アーツ・トリックス(円を描く動きを中心にした空中殺法)の技を取り入れた、カラテ・刀・ジャパニーズアクションを創造している。

子供の衣装は和服のアクション系、大人は忍者系にダンス衣装のアイディアを取り入れている。

 まだ、誰も手をつけていない分野なので、なかなか完成しないけれど、ない分野を切り開くと言うのもやりがいがあってイイ!

挑戦している最中は、できないから辛い、でも、楽しい、でも辛い、でも、楽しい。

のリピート。

 だからこそ、やりがいになるんだろうね。人生死ぬまで挑戦だよなあ。

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2007年4月25日 (水)

日本人母におどおどアメリカ人

LAでは、ダウンタウンの「Hey ! Hey ! Hey !」がやっていて、人気上昇中のリア・ディゾンが出演していた。そこで慣れない日本語で話していたけれど、時々英語を使って話をするのに、そのたびに

ダウンタウンが

「俺達には通用せえへん!」

と言っていた。ギャグもあるけど、この態度にはとっても共感できた。日本でアメリカ人が英語で話しかけると、日本人は「話せなくてごめんなさ~い」みたく、逃げるように去っていくのを見たことがある。

でもダウン・タウンは

「日本に居るなら、日本語で話せ!話せないなら、申し訳なさそうにしろ!」

ってカンジで、ほんとそうだなあと思う。だって、日本だもんね。

それで思い出した笑える光景がある。俺の母がアメリカに来て、一緒にマーケットに買い物にいった時のこと。 アメリカ人の店員に日本語で

「これなあに~」

と、ニコニコしながら話しかける。其の態度があまりにも普通で

「あら、日本語わかんないのね~w」(大炎上)

かなんか言ってた。そしたら、アメリカ人の店員が

Well…………….」

とか言いながら、困った顔してあたふたしてた。母があまりにも、フレンドリーで大胆な態度だったので、アメリカにいるアメリカ人が困っちゃったのには、笑ってしまった。

けれど其の時思ったのは、

「おどおどしない悪気ない態度は、相手を飲み込んじゃうんだなあ」

っと変に感心!やっぱり人間は堂々としてないといけませんね。

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2007年4月24日 (火)

流れるアクション

 最近、ちょっとアクションに息詰まりを感じていて、何か新しいアクションがないかと模索している。うまく型がハマってこないのだ。なんか良いアイディアはないかと、昔のアルバムをめくったりする。アイディアってどこかに落ちてるものだから。そしたらバットマンショーの写真を見つけた。

Batmoble カリフォルニアの名物アミューズメントパーク、SIX・フラッグでバットマンショーがあるが、そこからスタントマンが日本のアクションを熱心に通ってきている。若いアジア系のスタントマンで、彼の動きを見ていると、ありあまる若いエネルギーが充満していて羨ましくもある。

けれど、ジャパニーズアクションの流れるような動きはまだない。

前に、リーというスタントマンがいて、彼はとってもお芝居の上手なスタントマン。バットマンショーのロビンを演じていた。実際のバットマンにもスタントで出ていたけれど、アクションに優美さはなかったなあ。

そんなことを思い出しながら、日本流の優美な動きを取り入れた”日本ガチンコアクション”とは何かと、ずっと思考してる。

今日は、雑文すぎて申し訳ない!

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2007年4月23日 (月)

スター・ウォーズ展覧会 その2

この展覧会で凄いことは、カリフォルニア科学博物館という公共の場ということだ。スター・ウォーズと言う題材を使って、科学へのアプローチもさせてくれる粋な計らいだ。Air

 スター・ウォーズに出てくるエアー・クラフトを特別に作って子供達に試乗させたり、3Dの絵合わせもありで、1時間は楽しめる。

柔らかい題材を使って、子供達に科学への興味を持たせることも大切だよなあ

日本もウルトラマンを使って、宇宙への興味とかそんな試みをしてもいいんじゃないかなあ。国立科学博物館にウルトラマンが出てきて、科学の紹介があってみたいな・・・。

 

そういう遊び心っていうか柔らかさって、

Dino

現代にはとても大切な気がした1日でした。

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2007年4月22日 (日)

スター・ウォーズ展覧会1

 な、なんと今日LAミュージアムに行ったら、スター・ウォーズ特別展覧会がやっていて、

Starwars1_1

「あるわ、あるわ!貴重な着ぐるみやら、ミニチュア!」

と結構感激した。特に熱烈ファンってことじゃないけれど、やっぱり撮影後のガラクタ(?)って胸がわくわくするよなあ・・・。

版権とかの問題であんまり写真をだせないのが残念だけど、良い意味で笑ったのが、コスプレーヤーがいて、ダース・ベーダーやら、ストーム・トルーパーがいて

「記念写真とってー!」

って人だかりが出来ていた。

俺も調子にのって撮ってもらった。

それも例のあのメカボイスで

「写真どうぞ!」(もちろん、英語w)

といってくれた。さすがはアメリカのコスプレーヤー、パワフルです!

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Starwars2

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2007年4月21日 (土)

プロレスと言う言葉

 格闘技真っ盛りの日本。こないだプライドがUFCに買収されて、K-1VS UFCっていう図式になってる。

6月になれば、K-1がLAオーディトリアムで10万人興行をするそうで、日本格闘団体VSアメリカ格闘団体になる。谷川プロデューサーや前田日明がLAオーディトリアムで記者会見をして、アメリカのローカルTVでとりあげられてた。

 ここまで、格闘技が盛り上がったのは、まぎれもなくプロレスー新日本プロレスーUWF-リングスとプロレスのお陰なんだが、現在日本のプロレスがマジ元気がないよね。

 プロレス週刊雑誌が2冊つぶれて、残るのは1冊だけ。こういう現象は本当に危ない。盛り場の理論っていうのがあって、例えば駅前の繁華街がいつも人通りで賑わってて、パチンコ屋が3軒ある。当然3人の経営者は、ライバルは潰れればいいって思う。そして 2軒がつぶれたら、3軒目も潰れてしまった。

 なぜかと言えば、残った1軒が殿様商売で工夫を忘れてる内に、人に飽きられてパチンコ自体が飽きられてしまったのだ!これって盛り場の理論なのだそうだ。

 プロレスも同じで、ジャイアント馬場が死んでアントニオ猪木天下になり、切磋琢磨がなくなって落ちぶれていいところを格闘技に全部持ってかれた。藤田 VSプライド選手の試合なんか、コールの仕方が全盛時のプロレスと全く同じなのに驚いた。

 プロレスというジャンルが存亡の非常ベルが鳴り続けて久しいのに、世間を巻き込む仕掛けがないよね。

 アメリカではWWEがショーだとカミングアウトして、豪華絢爛なショースポーツを展開してる。あれだって、健全なエンターテイメントスポーツだ。日本のプロレスラーだって、スーパーアスリートなのだがら、世間をあっと言わせる仕掛けをして、猪木VSアリみたいな夢をまた見せてほしい。

 熱烈な猪木信者だった俺は今マジにそう思ってる。

 

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2007年4月19日 (木)

最終回 きっぱりアクション俳優―スーツアクターと言う言葉⑱

俺の場合も、「仮面ライダー」のアクションに憧れて、いつの間にかアクション俳優になっていた。シリーズを読めば分かる通り、元々ファンだったので、スーツアクターと呼んでその人のファンになる気持ちはとても良く分かる。そして面をつける仕事を、スーツアクターと呼ぶことで、その分野を尖らせたのも見逃せない功だ。  

 事実、俺が大野剣友会に入った25年前に、中に入った俳優の人気投票なんてありえなかったし、そもそも全く日の当たらない世界だった。それをここまで持ち上げてくれるのは、ファンの応援のお陰なのだ。  

 昔小学館の「てれびくん」の編集者だった頃(たしかジェットマンだったかな・・)、戦隊の担当編集が編集長と話をしていて

 「今日撮影会があって、写真取りにいったら、日下(注1)さんがいなくて、しょうがないんで素人が入ったんすよ。ポーズが決まらなくって困っちゃって」

 といっていて、横で俺は

「そりゃそ~でしょ~」

  と、思いまくった。それこそ演技したことのないエキストラが、主役やっても無理なのと同じだ。でも、当時は、“ADでも中に入れば事足りる“程度の認識だったから、そんな話しを聞くに付け、俺は面芝居に誇りを感じて、やっぱり特殊技能、特殊表現だなあと思う。

  だからこそ、スーツ専用のアクターというより、その表現を身につけた俳優達と位置付けるのが良い気がするのだ。言葉の否定だけで、終りにしたくなかったので、面を付ける俳優の仕事内容や心情、状況を出来る限り紹介したつもりだ。  

 今の俺的に言えば、“スーツアクター”と言う言葉には、ピッタリ感がない。どちからかと言えば、スーツ・アクティング・メソッドが正しい表現だと思う。そして、俺は面を被る俳優はきっぱり

アクション俳優! 

と呼びます。  

でも最後は、アクション俳優やこの業界を応援してくれるファンの皆さんの感性だ。この連載が面(メン)を付けて演ずる仕事の理解の一端になればと思ってます。  

 そして、俺は日本の武芸アクションを世界に広めるべくアメリカから発信していきます。2月から始めたブログは、アクセス5000を超えました。読んでくれた皆さん、ありがとう。そしてこれからもヨロシク!

No pain, no gain ! 

 (注1)日下秀昭さんは、電子戦隊デンジマンからロボットを中心にアクション俳優として活躍中です。俺は、スカイライダーのショーで一度だけご一緒させて頂きました。

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2007年4月18日 (水)

アンリミティッドな世界観―スーツアクターと言う言葉⑰

 演技をする上で、幅を決められることほど怖い物はない。それによって、吸収することが限定され、表現の限定までされる気がするからだ。もともと表現というのは、無限な訳で、限定されることが一番怖い。

 そう、それでスーツアクターという限定される言葉を、アクションを演じている俳優は恐れるのだ。スーツアクターという言葉が、凄いとか凄くないとかそういうことではない。枠決めされることを恐れ、窮屈を感じる。

 これは、ひょっとすると肌感覚の問題になってる。このシリーズを読んでくれている皆さんに、届いているかどうか分からないけれど、その部分で抵抗感を感じるのだと思う。

 面を付けて演技する俳優も、色んなことを感じてそれを無限に表現したいと思っている。それは俳優だからだ。だからみな、スーツアクターと言う言葉より、その記号化された枠決めがいやなのだと思う。だから俳優と言う限定されない言葉で様々な表現をしたいのではないだろうか。

 今回は色々なことを考えてみたけれど、俺の結論は、気ぐるみを着て演技する人達を俳優と呼びたいし、一番抵抗のない言葉だと思っている。

 (次回は最終回です。)

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2007年4月17日 (火)

バージニアの乱射事件。政治的力ってなんだ?!

  バージニア州で起こった乱射事件。亡くなった皆さんには心より深い哀悼の意を表したい。そしてこんな事件が起こるたびに思うのは、亡くなった人の人権だ。今回は加害者が自殺しているので、その話にはならないけれど、事故事件に巻き込まれて一番損をするのが、

被害者だ。

 家のワイフがひき逃げにあって、瀕死の重傷を負った時、何も悪いことをしていないのに何故!?犯人もわかったのだが、地域の政治的腕力で押さえつけてうやむやにしている状況だ。なんせジャガーを乗り回しているのだから。

 事件の話しに戻れば、今回の犯人がどうやらアジア人であること。このことはアメリカ住む日本人には大きい。アメリカ人にとって、中国人、韓国人、日本人もたいして変わらないアジア人だから、潜在的イメージダウンは計り知れない。

 そして犯人が留学生だったことで、学校に通うアジア人留学生は身に覚えのないあらゆる誹謗中傷に対して、自己防衛の手段を持たねばならないだろう。

 現時点のアメリカ社会の争点は一つ。犯行は2箇所で行われていて、2時間のタイムラグがある。どうして其の間に未然に防ぐことはできなかったのか?でも根源にある話には繋がってこない。

“銃規制” 

これも政治的腕力=お金の問題だからだ。

 世の中って不公平ばかりだけれど、やっぱり強く生きていかなくちゃいけない。それでも、大きな未来を奪われた命と、親御さんの心を思うと、本当に本当にやるせない。

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2007年4月16日 (月)

良い役者はアクションもできる!―スーツアクターと言う言葉⑯

縁あって、アメリカに辿り着き、幸運にもハリウッド版「仮面ライダー」のアクションを担当できた。そして様々なアメリカ人スタントマンと仕事をしたのだけど、結構ライダーとか戦隊が好きな若いスタントマンが多かった。

 そして彼らが一様に言うのが、

「ポーズがクールだ!!」

なのだ。そしてそのポーズ=見得=歌舞伎なのだけれど、彼らが見得を切ると、何か違うといつも思う。皆入り口から入って、真似をするのだが、何故そのポーズをとるかまでは、考えが至らない。俺的には敵に対する威嚇。いわばライオンの咆哮、そのキャラの存在の象徴だと思ってる。

 COOLであれば、良いと言う物ではない。何事にも理由があるのだ。 そして、思い出すのが、大野剣友会の岡田勝師匠の

「良い役者は、立ち回りも上手だ」

なのだ。なるほど一時面をつけていた真田広之さんも春田純一さんも演技はしっかりしている。一世を風靡した歌手の長渕剛さんも岡田師匠が殺陣をつけているのだが、これもいいアクションだった。

俺の場合も、面芝居、アクション監督、監督、演技もやるので、面をつけてやる仕事で、スーツアクターだったと言うのも、なんか違うような気がするのだ。そしてそれは、現在スーツアクターと呼ばれる人達の”気分”も一緒だと思う。演技の幅を限定されるような気がするのだ。だから、現場からはちょっとなああ・・・。という声があがるのではないだろうか。

To be continued

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2007年4月15日 (日)

おとぎのキャラクターもご飯食べてます

この所LAは物凄い風が強くてホコリで大変。今日も凄い風でアレルギーが出まくり日和。そんな日曜日、久しぶりにハリウッドのチャイニーズシアターにくりだす。

 本当に綺麗になって、ここぞハリウッド!って感じ。

Hollywood

 言うまでもなく、俳優の手形なんかはあるけれど、居ました大道芸人。マネキンだと思ったら、人間だったりとか、ダンスを踊るグループ。そしてダース・ベーダーやら、ミニー・マウスやらアリエルまでいる。喜んで近づいて、握手しちゃう。

 とってもフレンドリーで、一緒に写真を撮らせてくれたりしちゃうのだ。Dancer でも其の後、腕に持ったバケツを指差す。中をみると大量の1ドル札や10ドル札やらが入っている。

 夢のキャラクターが、おねだりしてる・・・・!

 Vader しっかり、現実の世界に引き戻され、帰ろ、帰ろと帰路に着いた一日でした。

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2007年4月14日 (土)

香港アクションから見る、人間の面白味

ジャッキー・チェンのスタント吹き替え問題で、思い出すのがユン・ピョウ、サモハン・キンポーだ。サモハンは10年ぐらい前に、TVシリーズ「マーシャル・ロウ」がアメリカで製作されて人気を呼んだ。TIMESの表紙までなって話題を呼んだが、知らぬ間に打ち切られたのは何か裏があるのだろう。ちなみにこの企画はアメリカのプロダクションがジャッキーに断られた物を、サモ・ハンに持っていって実現した。

ユン・ピョウはシャープなアクションでアジア圏では一世を風靡したけれど、アメリカからは全くお呼びがかからなかった。

そしてジャッキーは、ヲタ系監督クエンティン・タランティーノの押しでニューライン・シネマに取り上げられて人気を呼び、コメディなアクションでアメリカで大ブレイクしたんだよね。

 この三人の中で一番アクションの出来るのが、ユン・ピョウなんだけれど、技術が優れている所以の器用貧乏で、アクションに面白みがなかった。

 やっぱり、コメディ大好きなアメリカ人には、ジャッキーが一番フィットしたんだと思う。アクションが下手な分、一生懸命やる姿が共感を呼ぶんだよなあ。

 何でも出来るのは面白味がないっていうのは本当で、名子役が名俳優になれないのも、器用貧乏がたたって味のある演技ができないためだ。

 そんなことを思い出しながら、新しいアクションを今日も開発している。

P.S. スーツアクターの連載を待っている人には、申し訳ないです。最後の結論に入っていくのに色々と自己確認をしてますので、もうしばらく、お待ちを・・。半端な話にはしたくないので。

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2007年4月13日 (金)

二つの大問題!ジャッキー・チェンとユン・ピョウ

 俺のブログのコメントで、三影さんから「燃えよ!ドラゴンのブルース・リーのダブルはユン・ワー」と言われ、プロフェッショナル、アクションヲタの俺は、

「ええっ!!」

と、驚きまくった。もう20年以上も、ジャッキーの相棒のユン・ピョウだと信じていたのだ。ネットで調べると確かにユン・ワーっぽい。

 俺はどんな映画を見ても常に、

あ、これはスタント!あ、目線があってない!照明違うじゃん!!

 とか言ってしまい、ワイフに

シャラップ!

と叫ばれる。でも、スタントつかっちゃってるシーンは絶対わかってしまうのは、習性なのだ。それだけに、ブルース・リーのダブルはユン・ピョウじゃないと言うのは衝撃だ!後姿、頭の形を見てユン・ピョウと判断していたので、真相はどうなのかと未だに思う。

 更にジャッキーのスタント使ってない発言は、ちょっと驚いた。

これは、こじれるなあ・・・。

だって、見れば白黒はっきりしちゃうじゃん。一般人にはどうでも良いことだけど、アクションヲタとしては、大問題だ!

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2007年4月12日 (木)

北京で議論を呼ぶ、ジャッキー・チェンのスタント問題

ええ~ッ!何を今更!!

これって、過去の映画見ればわかるだけの話で、ジャッキーのスタントダブルは、アメリカでも立派に存在する。主演俳優が怪我をしたら1日製作がとまって、それこそ何千マンのコスト高だ。そういう理由でスタントを使うし、それって意外と周知の事実だ。ファンだったら誰しもわかってる。

ジャッキー・チェンはスタントマンじゃなくて、アクション俳優だからスタントを使っていても、おかしかない。結果をだしてるのだから問題ないんじゃないかなあ。

 ブルース・リーが「燃えよドラゴン」の冒頭でバック転を切るシーンがあるが、あれだってユン・ピョウがスタントしてる。

 ジャッキー・チェンは、何本も掛け持ちしているし、時間と体力が許さなかった場合もある。プロダクションの理由とか、複雑に絡み合ってるからできないこともあって。揚げ足を取るだけじゃなく、彼の努力と成果をもっと見てもいいんじゃないだろうか。アクション俳優としての彼に、観客は魅力を感じているわけだし。

現場を知る俺的には、ありだと思うなあ。

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2007年4月11日 (水)

引退とは出発の始まり

アメリカに住んでいても今はネットがあるために、リアルタイムで日本の情報が手に入る。この間、タレントの飯島愛さんが引退したそうで、そのTV番組をネットで見かけた。

引退の理由は色々あると思うけれど、その表情やムードから感じたのは、妙な爽やかさだ。芸のない芸能人と本当に思っているようで、これ以上みっともない姿をさらすのは視聴者に失礼っ、というよな風だった。それなのに、明るさを持ち合わせていた。

人は誰しも、その舞台を退場する時が来る。でもちょっとまて。其の後にも舞台はあるはずなのだ。

もしなかったとしても、自分で舞台を作れば良いのだ!

しぶとくなろう!誰にも次の舞台はある。

そんな雰囲気を彼女は持っていた。開き直りの強さ、次の舞台へのチャレンジ・アティテュード。そんな度胸はなかなかもてない。だからこそ、彼女は人気があるのだと思う。

人間はなかなか死なないぞ。引退は次のスタートの入り口にもなるんだ。

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2007年4月10日 (火)

面芝居は世界に通じる日本芸術―スーツアクターと言う言葉⑮

 仮面ライダーのアクションを演じることが、一つの夢だった俺。しかし、ライダーの基本になる演技と殺陣の方法を手に入れた時、むくむくと

 「もっと違った可能性もあるんじゃないかな・・・」

 と思い始めた。その時、期せずしてもらった、岡田勝師匠からの大野剣友会正会員と仮面ライダーのアクション俳優への勧め。それは心から嬉しかった。そして考えに考え抜いた結論。

  「今日限りで大野剣友会を止めます・・」 

 今思えば、仮面ライダーで昇華した日本独特の仮面演技=面芝居を、仮面ライダーでとどめるだけでなく、世に広く知らせたいと思っていたのだ。

 そう言えば何時だったか

 「ハリウッド版“仮面ライダー”のスーツアクターだったMICHIさんです」

 と紹介されて、物凄く違和感があったことを思い出す。その根本が

 “面芝居はスーツアクターという範囲だけじゃなく、もっと世界に通じる日本独特の肉体芸術なのだ”

  と抵抗したかったのだと思う。アメリカに旅行するようになり、もっと其の思いは強くなった。

(To be continued)

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2007年4月 9日 (月)

大野剣友会との決別―スーツアクターと言う言葉⑭

仮面ヒーローのアクションは、日本文化の象徴!そんなことを認識した20歳前後の俺。仮面ヒーローに憧れてこの世界に入った俺と、それを初めから仕事として演じていた諸先輩方とは意識の差ががあったのだ。

 

 現にあるベテラン先輩は、

「何時までたってもライダーかあ・・」

と言う人もいれば、素面の仕事を求めてやめていった人も多くいた。俺は逆に指先一本の動きで表情の変わるアクション芝居が面白くなっていた。そんな中、岡田勝師匠から

「大野剣友会で正会員になれよ。俺の言うことをしっかりと聞いたら“仮面ライダー”の主役に入れてやる」

っと、驚きの一言をもらった。俺は其の時、本当にドキッとして、もやもやした気持ちにピリオドを打つことを決意した。

「大野剣友会をやめよう・・・」

( To be continued

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2007年4月 8日 (日)

仮面アクションこそ、日本文化の象徴!!!⑬

アクションの業界に入って、慣れてくると色々なことが見えてくる。面を被る中屋敷先輩や新堀先輩と絡んでみて、アクションを演じる人にも個性や信念があることがわかったし、その表現は千差万別、終りがないことも知った。しかし一般社会ではアクションが特別な技術と認められていないことが悔しかった。

ある日神社に行った時のこと。日も落ちて、たいまつのかがり火の中で、能が演じられていた。それは、囃子の伝統音楽で能面を被って表現する日本の演劇。

面芝居!!

 この頃は言葉には、表せなかったけれど自分の中で、ヒーローアクションへの誇りが確固たる物となった。「仮面ライダー」は表情のない面で、体の動き全体で喜怒哀楽を表現する。変身ポーズや見栄は、歌舞伎。更に身を守る武道も源流にある・・・。そうか、

仮面アクションこそ、日本文化の象徴!!!(炎上!!!)

 この確信はアメリカにきて、更に現実味を帯びた。アメリカのヒーローには、顔が出ているデザインの方が圧倒的に多い。バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン。自分こそ正義と主張するのがアメリカヒーローなら、誰にも知られず戦う孤高のヒーローがジャパニーズヒーロー。この時から、

仮面ヒーローを演じられる者こそ、孤高の選ばれし俳優!!(もっと炎上!!)

と思うようになり、アクションの仕事がもっと好きになって、はまってしまったのだ!そして、自分のオリジナルのアクションを作ってみたいと思うようになる。

(To be continued)

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2007年4月 7日 (土)

大野剣友会は演技集団―スーツアクターと言う言葉⑫

俺は、「仮面ライダー」が好きで、アクションの業界に入った。そして日本の一線で働くアクション俳優の諸先輩達にお世話になる。一緒に稽古や仕事をしていく上で、先輩達は仮面ライダーなどの着ぐるみに入っているだけではなく、時代劇や有名歌手の舞台俳優もこなしていたから、ライダーのアクションに、特別な感情を持っていなかった様に思う。むしろ

「あいつの演技はどうだ」

「あいつの見栄がきれい」

とか、演技の部分での話し合いや、いい意味でのライバル意識のぶつかりあいを見た。それを知るにつれ、

「ライダーのアクションはそれが発祥じゃなくて、基礎になる何かがあるんだ」

と肌で感じるようになり、そしてある写真を大野剣友会の事務所で見つける。それは1970年に剣友会が行った自主舞台「蟻部隊」だった。

「え!剣友会が、舞台演劇をやっていたんだ!!」

その写真には、ライダーの演技、アクション演出をした高橋一俊氏、岡田勝師匠、ライダーを演じた中村文弥氏、V3のツバサ大僧正(注1)を演じた富士乃幸夫氏がいた。

「大野剣友会って芝居の集団でもあるんだ!!」

当時、これは一つの驚きだった。ヒーローのアクションとはそれ単一のものではなく、演技の基礎が底辺にあることを16歳の俺は悟った。そして其の業界に身を置くと、様々なことがわかった。戦隊の並んだポーズは歌舞伎の“白波五人男”から来ているとか、ライダー2号の変身ポーズは2刀流の構えとか。

さらに、千葉真一氏もアクション俳優と呼ばれるのにさえ抵抗して

「アクションは演技の一部なのだ」

とさかんに言っていた。決定的だったのは、1989年、東映大時代劇映画 “激突” (注2)が封切られ、千葉氏とダブル主演の緒形拳が記者会見で

「アクション俳優の緒形拳です!」

と、ちゃかした様に言うと、記者団がウケたのを見て、

「世間は、アクションを下に見ているんだなあ」

と思って、とても悔しかった。

「なんで、血と汗を流してアクションをやっている俳優が下に見られるんだ!ふざけんじゃねえ!!」(炎上!!)

とアクションを生業にしている全員がそう思っていた。そんな反骨精神が、面の下で演じる俺達のプライドになって、頑張れたんだと思う。そんな俺達だったから、面をつけても台詞はきちっと覚えるし、面には表情がないから、感情を体で表現するにはどうすればいいのかと、いつも考えていた。そして、ある日、近くの神社で能面芝居を見た。其の時、

「あっ!!」

と、思った。それは・・・・

( To be continued

No pain, no gain!

(注1)     仮面ライダーV3に出てくる悪の幹部。大野剣友会の富士乃氏が演じ、監督の内田一作に絶賛されたという。大野剣友会が悪の幹部を演じきれたのも、俳優であるということの証明であった。また中屋敷先輩が大河ドラマに役付きで出演して、アクション業界では、どうやって出れたんだろうと話題になった。

(注2)     千葉真一氏がハリウッドからスタントコーディネーターを連れてきて、ファイヤースタントをコーディネートしたのも話題になった。長門裕之氏が馬の上で火達磨になるのだが、スタントは元JAC卯木浩二氏が演じた。卯木氏は戦隊ダイナマンのダイナブルーの素面と中の両方を演じている。

 

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2007年4月 6日 (金)

アクションの袋小路―スーツアクターと言う言葉⑪

大野剣友会への入門は、練習(292007を参照下さい)に出ているうちに許されて、高校通学中ということもあって準会員となった。厳しい稽古を経て、初出演は「仮面ライダースーパー1ショー」で閉館した千葉県勝浦市の行川アイランドでお正月公演だった。

 主演俳優の高杉俊价氏も出演した豪華ショーだった。怪人役には、キレンジャーのアクションを演じた天野正登先輩もいた。俺は、下っ端の黒ずくめの戦闘員で、覚えたての技術を目一杯使ってアクションに参加させてもらった。この時の剣友会は、皆、空手着を着てリハーサルをし、武道家の風情で手をつけていた(注1)。

 其の時に歴代の仮面ライダーを演じた、中屋敷哲也先輩は居なかったが、高杉氏が、

「中屋敷さんには、ほんと色んなことを教わったよなあ~」

っと話してくれて、

「スーパー1の素面(注2)の高杉さんが、中屋敷さんのことを褒めてる・・。どんなに凄いアクションなんだろう・・・?」

と思った。そして、中屋敷先輩との遭遇は、ある稽古の日。フラッと現れた中屋敷先輩は、時代劇俳優といったムードで、長い手足に長身。物腰柔らかくやってきた。そのアクションは正に、生粋の時代劇役者で、優美な動きでからみを投げ捨てた。その動きは仮面ライダーの中身というより、もっと巨大な感じがして

「この人が、仮面ライダーなのか・・・。そもそもライダーを演じることとは、なんだろう・・・?」

っと子供ながらに思った。当時はレッド現役バリバリだった新堀和男先輩にも、よく稽古をつけてもらったが、中屋敷先輩とは正反対の激しいアクションだった。新堀先輩はライダー2号やアマゾンも演じているのに、

「こんなにアクションの方向が違う。面をつけてる時と、自分の元々もっているアクションの個性はこんなに違うんだ」

と思った。何だが、アクションの袋小路に入った感じなのだが、ある日、大野剣友会の事務所で1枚の写真を見た。それが一つの解決の糸口となる・・・。

( To be continued

No pain, no gain!

(注1)アクションの型を決めるのを”手をつける”といい、リハーサルを”手合わせ”という。この”手合わせ”と言う言葉は、軍記物語「太平記」の古典文学で使われていて、戦いの意。アクションの歴史を紐解くには、興味深い言葉の使い方だ。

(注2)変身前の役者さんを素面(すめん)と呼ぶ。決してしらふとは読みませんので悪しからずw。

 

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2007年4月 5日 (木)

ブログを始めた理由、これからも炎上!

スーツアクターシリーズが10回目となり、一区切り。ちょっと今日はつぶやきです。

そもそも、俺がブログを始めた理由はいくつかあるのだが、まず村枝賢一氏が大野剣友会を漫画で取り上げたことが一つ。 “仮面ライダー”に全てを賭けた裏のスター達に、スポットが当たった漫画がでて、

お~っ!

と思ったし、それより前にKodansha  official file magazine 仮面ライダーシリーズ全12がでて、大野剣友会の特集にも、背中を押された。

それに、ヒーローアクションの歴史を含め、俺達側からの発信がないことに気付いて、一般の人に我々の仕事を理解してもらえればと思って始めたのです。

 気がつかないうちに、“スーツアクター”という言葉が生まれ、読売新聞社の鈴木美潮さんとともに、其の成り立ちに一躍買っているのにも責任を感じて(2232007参照下さい)、自分なりの決着をつけねばと思ったことも事実です。そんな訳で、走り出しました。これからもアクション、ブログとも炎上していくので、皆さん宜しく!

 ちなみに、アクセスが4000を超えました。訪問ありがとうございます!

No pain, no gain!

 

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2007年4月 4日 (水)

ヒーローアクションは日本のわびさび!-スーツアクターと言う言葉その⑩

大野剣友会の練習参加、初めての日は2172007に書いたので、そちらを参照してください。今回は、その練習とアクションの基礎を紹介しようと思う。それにより、皆さんがスーツアクターという言葉が、フィットするかどうかの指針になると思う。

 俺達の技術の基礎は、まず空手の型、刀の型、体操の技術。其の上での表現力=アクティングがメインのエレメントになる。型を説明するときりがないので、ここでは触れないけれど、全ての型を徹底的に仕込まれる。更にスタントにも対応できる体操の技術。その上でアクティングが入ってくる。

 この技術は全て日本の武道、武芸が基礎で、演劇の歴史的に言えば、大衆演劇―歌舞伎―時代劇―現代アクションーヒーローアクションと繋がってくる。それらの要素を理解し、習得して現場にでていく。

 ハリウッドで、ライダーやビーファイターをやっていた時、100人以上のアメリカ人スタントマンとアクションをしたけれど、あの間と言うか、微妙なタイミングを表現できる人はいなかったなあ・・・。殴られても、鋭く顔を振る仕草とか、立ち居振る舞いとか・・・。

 あのアクションの間は、アジアのわびさびに通じるもので、日本の演歌的要素がかなり入る(分かる人には分かる?!)。斬られた後の、エビぞり演技が、日本演技に通じるもんなんだと痛感したのは、ハリウッドで働くようになってからだ。西部劇で建物の上で打たれて、一瞬止まって落ちるあのアメリカ人スタントマンの間は、斬られた後のエビぞり演技と通じるものがある。でもやっぱり西洋と東洋では情念の込め方が違うんだよね。西洋人はバッとくたばるけど、日本人はなかなかくたばんないていうか、シブトイみたいな・・。

 考えると面倒かもしれないけど、そんなことを体験したり、感じたりした俺的には、“スーツアクター”って言葉が、範疇が狭い感じがして、あの仕事をカバーするには足りない気が、今はしている。

 じゃあ、なぜそこにこだわるかを徐々に説明して行こうと思う。

To be continued

No pain, on gain!

 

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2007年4月 3日 (火)

漢字が似合う岡田勝師匠ースーツアクターと言う言葉その⑨

 自主映画、「ダブルライダーvsショッカー」の上映会は終わった。現場の人間が何人か見に来ていたが、何も言わずに引き上げ立ていった。平山プロデューサーらが示した反応とは真反対のような感じで、むしろ重苦しかったのだ。

「きっと、面白くなかったんだ・・」

其の時はそう思ったけれど、多分、現場の人達はあてつけのような気分になったのだと思う。其の中で、仮面ライダーの技闘(注1)、大野剣友会の岡田勝さんはどうという反応は示さなかった。でも勇気を振り絞って近づいていった。パンチパーマに浅黒い顔。現場で外にでているための日焼けだと思うが、それが健康的で神々しく見えた。今で言うスーツアクターという横文字の最も似合わない、いわいる殺陣師という漢字がぴったりの風貌だった。

「あの、8ミリ映画、どうだったでしょうか・・・?」

恐る恐る尋ねると、

「ああ、面白かったよ。」

と恥ずかしそうに笑い、心の中で俺は、

「ああ、ライダーアクションしてる人が、しゃべってる!面白かったって言ってるぞ~。よし、言え、言うんだ、言え~!」(大炎上!)

そして、もう一押し、

「あ、あの~、もし良かったら・・・、練習、参加させてくれませんか?!

「え、やりて~の?おお、来いよ!

俺は心の中で

「おお、来いよ!」

が響き渡り、思いっきり

「オッシャ~ああああっ!!」

とガッツポーズ!遂に本物のライダーアクションに手が届いて、信じられない気持ちで一杯だった。この出会いが、俺のアクション人生の始まりであり、大野剣友会での様々な出会い、そして出来事が、人生のテーマである“日本の武芸アクション”に繋がっていく。

なぜか?

ヒーローアクションは海のように広く、終わりのない地平の様な物だからだ。

To be continued

(注1) 70年代のライダーはアクションを作るスタッフ(アクション監督)を“技闘”と呼び、アクションを担当する俳優をシン(主役)とからみ(やられ役)と呼んだ。当時、子供番組のアクションは、時代劇のアクションを担当する剣友会が担当していたために、この呼び名が使われていた。一般的に言えば“斬られ役”、“大部屋俳優”がこれに相当する。

No pain, no gain!

 

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2007年4月 2日 (月)

仮面ライダー殺陣師のたたずまいースーツアクターという言葉⑧

漫画界の巨匠、石ノ森章太郎先生が、俺達の8ミリ自主映画制作を見て

100点満点中、75点。アマチュアの点数としては、物凄く良い点だよ。特にアクションシーンは、前のめりで見ちゃったぐらい!」

アクションシーン?!!

ライダーアクション大好きな俺としては、自分のアクションを石ノ森先生に褒めてもらって、とても嬉しく、

「今度はオリジナリティを出して勝負しなさい」

と、おっしゃってくれた。

その後、阿部征二プロデューサーが、

殺陣が高橋一俊(注1)だったねー。

平山亨プロデューサーも

そうだね~。

っと最上級の褒め言葉。

殺陣が高橋一俊なんて、嬉しすぎる!

と思い。

君らはTVの制約とかが、一切ないんだから、もっとメチャクチャなことをやったらいいよ

と次の展開まで、示唆してくれた。その後、高校生の小僧を相手に、中華料理屋まで連れて行ってくれて、夢の様なお食事会!もう25年も前だから、細かいことまでは記憶にないが、とにかくどうやったらあんなに我々のやっていることを、高校生なのに表現できるかと聞かれた記憶がある。食事会の終わりに、

「こんど撮影所で、皆に見せたいなあ~」

と誰かがおっしゃてくれ、

俺はまた、

撮影所にもいける?!→大野剣友会の人達にも会える!→マジかよ~!!」

と思い、

これまた、凄いことになってきた!

とドキドキで岐路に着いた。

数日後に電話をし、東映大泉撮影所の試写室にいくと、そこには大野剣友会の仮面ライダーの殺陣師、岡田勝氏(注2)が

バーン

っと座っていた。

「お~、この人が、本当の仮面ライダーだああああ!!」

もう雑誌でお顔を拝見済みなので、ドギマギしながら挨拶したら

「オオゥ!!」

っと、まるで極道の世界の様な貫禄だった。俺は、もし撮影所で岡田さんに会ったら、絶対に伝えたいと思った言葉があった。でも、それは、映画を気に入ってくれなければ受け入れてくれない思いだ。俺の胸は映画を上映しながら、小刻みに震えていた。

To be continued

(注1)大野剣友会2代目殺陣師。柔道一直線から東映子供作品に参加し、「仮面ライダー」「超人バロム1」「変身忍者嵐」「秘密戦隊ゴレンジャー」などの伝説のポーズを全て考案する。スカイライダーの頃には、ビッグアクションというチームを作り独立していた。後に「怪傑ズバット」「忍者キャプター」「バトルフィーバーJ」のアクションを担当し、その後島倉千代子などの大物歌手の舞台の殺陣を務める。亡くなる寸前に大野剣友会への復帰を望んだとも伝えられる。

(注2)俺の直接の師匠で大野剣友会3代目の殺陣師。スカイライダー、スーパー1の変身ポーズは岡田師匠の考案。スーパー1の変身ポーズは梅花のイメージですが、あれは寝床でふとイメージが沸いて、これだ!っと思ったそうだ。

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石ノ森章太郎先生、平山、阿部プロとの出会い-スーツアクターと言う言葉その⑦

テレビランドの山平編集長に自主映画の「仮面ライダー」を見せる様に言われて、持っていったのは、撮影所ではなく原作者石森章太郎先生(現石ノ森章太郎)の持つ版権管理会社、石森プロだった。

 撮影所ではなかったが、なんといっても仮面ライダーを作っている石ノ森先生の会社。高校生の俺らの胸はいやがおうにもときめく。行ってみると入り口にはスカイライダーのポスターが貼ってあり、ドキドキもの。敏腕マネージャーだった加藤昇氏が迎えてくれて、仮面ライダーのプロデューサー、平山亨氏、阿部征二氏がお揃いで、あの有名な笑顔でニコニコと迎えてくれた。

「ひえ~、凄いとこにきてしまった!」

と緊張したけれど、

「どんなの見せてくれるのかなあ、楽しみだ。」

と皆さんが、明るく俺らを持ち上げてくれて、緊張がほぐれた。しかし、実はビッグサプライズがあって、なんと石ノ森章太郎先生もやってくるという!!

「嘘だろう!!」

事務の方が、

「もうすぐ来ます」

と言ってくる。

「ええっ・・!」

焦りながらも、8ミリ映写機の用意をする。そして、仮面ライダーの生みの親、石ノ森先生が現れる。

「ども~!」

ちょっとかすれた明るい声で、姿を見せた石ノ森先生は、とっても気さくだったけれど、何か強烈な威厳があった。そして俺らの作った自主8ミリ映画“仮面ライダー”の上映が始まる。そこには、仮面ライダーの生みの親、石ノ森章太郎、平山亨、阿部征二の姿があった。

30分の上映が終了し、石ノ森先生がまず口を開いた。

「君たち・・・」

To be continued

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2007年4月 1日 (日)

チェリー・ブラッサム・フェスティバル in ロサンゼルス

 今日は、スーツアクター連載をお休みし、肩の力を抜いて久しぶりにサムライ アクションのお話です。本日のLAは快晴。ダウンタウンのリトル東京で、桜祭りが二日にわたって開催された。今年で6回目を迎えるこのフェスティバル。日本の文化を現地で紹介するというのが目標で、毎年2万人の来場客が来て、大盛況になる。俺の主宰するサムライ アクションもステージ出演に参加。

 Michianunceそれほど大きくない舞台だったが、中央に突き出しがあって、ダイナミックにアクションすることができた。

 

 丁度お昼時で、観客がステージ前に居なかったが、サムライが始まると、いつも観客が集まってくるのが不思議だ。「サムライ アクションにはマグネットがある」と言った人がいるが、多分日本の武芸アクションには、アメリカ人が汲み取る“何か”があるのだろう。

サムライアクションは、LA界隈のローカルフェスティバルでは、欠かせない出演グループになっていて、いつも声をかけてくれるのだが、こういった地域での出演も、日本のアクションを紹介するという意味ではとても重要だ。Cherry3

 

 観客に楽しんでもらうというのは、器の大小は関係ないしね。逆に観客との距離が近い野外ステージって皆さんの表情も見えるから、俺的にはとっても好きなのだ。今日は、アクションの出来も上々で、後から

「写真撮らせてください!!」

Michicherry4_1とう人達が何人もきてくれた。記念撮影をせがまれるというのは、ショーの内容のバロメーターで、ダメな時は誰も来ないが、楽しめるショーだと、写真をせがみにきてくれる。アメリカ人は、正直でわかりやすい人達でもあるのだ。 まだ、スタンディングオベーシバック転を決めるサムライガール!ョンまではいかないが、これをスタンディングオベーションまでもって言って、ハリウッドで1番のクラブに、もって行くのが次の目標だ。

今日は楽しいアクション日和でした。

No pain, on gain!

 

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